ブラック企業という言葉をよく聞かれると思います。会社の経営者の方々、社員の皆さんは個人としては普通の善良な方が多いと思います。しかし組織の一員としてなったとき上司に又は部下そして顧客に敬意を持って接していますか。今テレビで「半沢直樹」がとても人気があります。テレビですからオーバーな表現もありますが、私も金融にいましたので、番組を面白く、またとてもつらく観ています。自分も「あの時の人はどうしているのか」と思うことがあります。人材の重要性をより感じさせる番組と思います。ブラック企業という人格は存在しません。ブラック企業は人が作っているのです。
厚生労働省の取組の紹介 (概要)
現在ネットでも、ブラック企業の発表ページがあり、ブラック企業と認められた企業には、「大賞」とか「特別賞」等、ありがたくもない賞?が発表されています。国の取組として、厚生労働省は8月8日に次のように発表しました。
若者の「使い捨て」が疑われる企業等への取組を強化
厚生労働省は、若者の「使い捨て」が疑われる企業等が社会で大きな問題となっていることを受けて、以下の3点を取組の柱とし、具体的な対策を行っていきます。
1 長時間労働の抑制に向けて、集中的な取組を行います。(9月を「過重労働重点監督月間」とし、若者の「使い捨 て」が疑われる企業等に対し、集中的に監督指導等を実施)
2 相談にしっかり対応します。(9月1日に全国一斉の電話相談を実施)
3 職場のパワーハラスメントの予防・解決を推進します。
[長時間労働の抑制に向けた、集中的な取組を行います]
若者の「使い捨て」が疑われる企業等に対し、重点的な監督指導を実施します。労働基準監督署及びハローワーク利用者等からの苦情や通報等を端緒に、離職率が極端に高いなど若者の「使い捨て」が疑われる企業等を把握し、監督指導を集中的に実施。
【重点確認事項】
1) 時間外・休日労働が36協定の範囲内であるか確認し、法違反が認められた場合は是正指導。
2) 賃金不払残業(サービス残業)ついて確認し、法違反が認められた場合は是正指導する。
長時間労働者については、医師による面接指導等、健康確保措置が確実に講じられるよう指導する。監督指導の 結果、法違反の是正が図られない場合は、是正が認められるまで、ハローワークにおける職業紹介の対象としな い。
やられたら10倍返し? 因果応報と自業自得
日本には、因果応報や自業自得という言葉があります。ご存知と思いますが、因果応報とは、原因に応じた結果が報いるということ、自業自得とは、自分の行い(業)の結果を自分が受けなければならない言うことです。日本の昔話には、善いことをすれば善い結果悪いことをすれば悪い結果が現れる自分の幸せ、不幸せの運命の原因は、自分の行いであるという因果応報、自業自得の教えが教訓的に教えられています。東北大震災では、レストランを飛び出た客が、後で、お金を払いに来たとか、店員のいないコンビニの商品をレジにお金を置いて持っていったという日本人の行動が海外では奇跡的に報じられています。その根底には、誰が見ていようが見ていまいが自分のやった行いの結果は、自分に返ってくるという仏教の、因果応報や自業自得の教えが根付いているからと言えるでしょう。再度述べますが、「ブラック企業は人が作っているのです」、決して会社から自然発生はしません。
平成25年9月1日の読売新聞記事(下記参照)
若者に極端な長時間労働を強いるなどする、いわゆる「ブラック企業」約4000社を対象にした厚生労働省の集中取り締まりが1日から始まる。「被害に遭う人を一人でも減らしてほしい」。ブラック企業に勤める若者らからは期待の声が上がっている。「売り上げ目標を達成しないでよく休めるな」「生きているだけで無駄だ」。東京都内の男性(26)は、大学卒業後に入った都内のアパレル商社で、社長から毎日のようにどなられていたという。「目つきが悪い」などと、ささいなことで罵声を浴びせられ、たびたび拳も飛んできた。2011年春に入社した男性は、社長から「プライベートはないものと思え」と言われ、毎日、深夜までの勤務を強いられた。週末の出勤も多く、毎月の超過勤務は100時間を超えたが、残業代は出なかった。
(2013年9月1日08時51分 読売新聞)